GeForce GT 1030とは
nice hash minerの収益目安を計算してくれる、Profitability calculatorをいじっていると、少し古めのミドルレンジのグラボから最新モデルまでがプルダウンにラインナップされています。
ここに、今回着目したNVIDIA GeForce GT 1030という文字はありません。
GeForce GT 1030というのは2017年5月にNVIDIAから発売された、GeForceの最新アーキテクチャ・Pascalを搭載した超ローエンドGPUで、シェーダー数がGTX1050Tiのちょうど半分、消費電力が30W、占有スロットも1スロットと、極めてエコでコンパクトなシステムに仕上がっています。これで、一昔前のGTX650Ti以上、GTX750Ti未満な性能を発揮し、RADEON RX550 2GBに匹敵するゲーミング性能を発揮する、ということのようです。
そのマイニング能力は、おそらく本気でリグを組んでる人にとっては用のないGPUですが、私のようなパソコンの空き時間に、片手間で採掘している者、そして、パソコンの隅っこに、電力とスペースが足りずに余っているPCI-Expressバスがある者にとっては、もしかしたらマイニング効率を上げるスーパーサブ的な存在になるのでは?
1スロットのボードという点だけでみれば、GeForceGTX1070の1スロット版のGalax・katanaやGeForceGTX1050Tiの1スロット版のELSA・GD1050-4GERSPTがはまってくれれば、大きな戦力になるでしょう。
しかし、Galax・katanaは日本国内では販売されておらず、海外発送に対応した韓国のショップの価格は約90000円と定価の倍の値段に吊り上がってしまっています。ELSAのGD1050-4GERSPTも、24000円程度で販売されており、GTX1050Tiの最安値機種の約1.5倍の値段がついているなど、投資回収期間の面で難があります。
ここに、スペースを取らない、電力も食わない、GeForceGT1030がぴたりと収まるのではないか、こういう目論見です。
そう思って、人柱になって検証してみることにしました。結局、投資効率うんぬんよりも、この芽生えてしまった好奇心を満たすための実験です。
開封編
開封すると、出てくるのは超小型なボード。これでも内蔵GPUの性能は軽く上回るので、使い道がなかったら、家族用の、グラボがついていないコアi3マシンに就職させることにしましょう。
ロープロファイルのブラケットが付属しています。パッケージに入っているのはこれだけ。インストールCDなどもない、簡素な作りです。
(補記:後日箱をひっくり返してみたら、緩衝材の下に、ユーザーズマニュアルとCDが入っていました。わかりにくかったですが、一応追記しておきます。)
実際に稼働させてみた結果はこちら。
GTX750Tiを単位時間当たりの金銭効率で上回るという結果になりました。
(名誉のために、しばらく動かし続けていると、常にGTX750Tiが負けているというわけではないようです。)
消費電力が半分なので、GTX750Tiの立場がありません。
つまりは、GTX750Tiを動かし続けるぐらいであれば、GT1030を2枚セットアップしたほうがまだスコアが稼げるということになります。
比較対象としているGTX1070とGTX750Tiの金銭効率ですが、Profitability calculatorで計算される値と比べると、私の実機はだいぶレートが低いです。GTX1070で25%、GTX750Tiで30%ぐらい低いです。
Profitability calculatorで出てくる値は、消費電力も高目のようです。
電力の安い海外でギンギンにオーバークロックされた場合のIncomeが基準になっているのでしょうか。
まとめ
インカム面ではGT1030×5枚≒GTX1070×1枚
消費電力はGTX750Tiの60%、GTX1070の1/3
総じて言えるのは、ワットパフォーマンスの面からも、設備投資として考えた点からも、GT1030を5台積むよりGTX1070を1台のほうが良いという事。(当然ですね。)
メインにするにはありえないが、1スロットと30W(実測では34Wぐらい消費している)が余っている片手間マイナーな方はどうぞ底上げに使ってみては、的な位置づけではないでしょうか。
ということで、GT1030ではなくGTX750Tiを家族用の(使用頻度が低い)PCへと、移籍という名のマイニング退役をさせる決心がつきました。
補足
gt1030 マイニングでこの記事にたどり着いた方に知っておいてほしい事